世界のてんかん患者数はどれくらいいる?

世界のてんかん患者数は、人口に対して0.5%~1%にあたる約5000万人とされ、幼児や新生児の発症率が最も高い一方で年齢や性別を問わず発症する脳の慢性疾患とされる神経障害ですが、世界のてんかん患者約5000万人のうち約85%にあたる約4200万人以上が発展途上国の患者とされ、満足な治療が行われていない事がWHOで問題視されています。
人間は、四肢の指の先まで張り巡らされた神経細胞や筋繊維に対してに脳から適切な強さかつ適切な量の電気信号が送られる事によって身体を動かす事が可能となりますが、てんかんは何らかの理由により脳内で必要以上の電気的興奮が引き起こされ、電気的興奮が引き起こされた脳の場所によって症状が異なります。
症状としては、四肢などが大きく震える痙攣に加え突然意識を短時間失ってしまう欠伸発作や筋肉に力が入らなくなる脱力発作、筋肉が瞬間的に収縮するミオクロニー発作など様々な発作があります。
発症原因となる過剰な電気的興奮が、言語や理論的解釈などを司る左脳に発生した場合には右半身に発作症状が発症し、イメージや直感を司る右脳に発生した場合には左半身に発作症状が発症します。
過剰な電気的興奮が、脳の限られた単一の部分に発生する単純部分発作は意識を失う事はありませんが、脳の限られた複数の部分に発生する複雑部分発作の場合には意識を失ってしまう事がほとんどです。
てんかんは、呼吸困難や意識混濁など生命の存続に関わる発作の発症も少なくありませんが、一般的には瞬間的な発作が3分間未満の発作が大半を占めており、薬物治療により患者の約70%が発作を抑制する事が出来、一般の健常者と同様の生活を送っています。
てんかん患者の約30%は、薬物療法では病態の好転が見られない難治性のてんかん患者とされ、発作の反復による病態の悪化に加え精神的障害や臓器の障害などを引き起こす為、治療薬の種類や組み合わせ及び外科的手術などの治療法の検討が余儀なくされます。

日本のてんかん患者数はどれくらい?

日本のてんかん患者数は、約100万人いるとされ、発症率は人口に対して0.8%前後と諸外国の発症率0.5%~1%と大きな差が認められていませんが、日本国内では高齢者のてんかん患者数が正確に把握されていない事や専門の医療機関以外での診療も多くもあり、潜在的なてんかん患者も多くいるとされ、100万人以上のてんかん患者がいるとも考えられています。
てんかんは、年齢や性別を問わず突然発症し、自然に発作が喪失してしまう患者も少なくないので遺伝による発症は少ないと考えられていますが、てんかんは複数の遺伝子の変異が積み重なる事で発症率が高くなる多因子遺伝性疾患とされ、てんかん患者が父親の場合には2%~3%の確率で遺伝し発症すると考えられ、特に母親の場合には父親がてんかん患者の場合のに比べて3倍に匹敵する約8%前後の確率で遺伝し発症します。
両親が患者の場合には更に遺伝率が高くなるとされています。
てんかんは、多因子遺伝性患ですが、生活習慣病や神経変性疾患、交通事故による脳の損傷などの後天性の起因による発症率も高く、大脳の病変が多くなる60歳上の高齢者の発症率が高くなっており、高齢発症てんかんとして分類される様になっています。
日本では、子供だけが発症する病気と長く認識して来た事や患者の体質によって発作症状が異なる事などによりてんかん患者に対する周囲の人の理解が得られず、成人のてんかん患者への治療が諸外国に比べて充分に行われていないと指摘され、厚生労働省ではてんかん地域診療の連携体制の整備事業に基づき全国8拠点の医療機関の選定を終了し、東北大学病院や鳥取大学付属病院、広島大学病院などがてんかん診療全国拠点機関となっていますが、四国地方や北海道地方、九州地方には全国拠点機関が設置されていない問題点も浮き彫りになっています。