抗てんかん薬の副作用には注意しましょう

抗てんかん薬は、脳の神経細胞が過剰な興奮を示している状態を抑制・沈静化するための薬です。
言い換えれば脳全体の働きを抑える作用があるため、服用量が増えると薬が及ぼす作用が過剰となり、中枢神経が抑制されて、眠気やふらつきといった諸症状が出現します。
特に、長期患者や体躯の小さな子供は許容量を超えやすいため副作用が出やすい傾向にあります。
眠気・ふらつきはほとんどの抗てんかん薬に共通して見られる副作用です。
副作用の特徴として、飲み始めに出るもの・服用量が多いために出るもの・アレルギーによって特定の人に出るものの3つに分類されます。
まずは飲み始めの時期に出る副作用は主に眠気・頭痛・めまい・ふらつきなどが挙げられます。
これらの症状は服用する量を少量ずつ増やしていくことで対処できます。
次に、服薬量が多いための副作用として視界のぼやけ・複視・ふらつき・めまいなどが挙げられます。
服薬後に一過性に出現するものであり、服用量を減量して服用回数を増やすことで改善されます。
またごく稀に重症化した時にのみ見られる湿疹などアレルギー反応が出現する場合もあるため、その時は注意が必要です。
そして、長期間の服用において見られる副作用としては肝機能の低下・白血球の減少・脱毛などが挙げられます。
他にも食欲低下・体重減少や、反対に体重増加・歯肉増殖・呼吸抑制などの副作用が見られることもあります。
薬疹や骨髄抑制・肝障害などアレルギー反応による副作用のほとんどは、飲み始めの数ヶ月以内に出現します。
多くは服薬を中止することで改善するものの、ごく稀に重症化するケースがあり注意が必要です。
アレルギー反応をあらかじめ予測しにくいため、服用を少量で開始して注意を怠らないことが重要になります。
さらに、副作用の起こり方は患者によって個人差があります。
同じ薬を同じ量服用していても、同様の副作用が起こるとは限りません。
一般的には、服用初期は副作用を避けるために少ない量から服用を始め、薬の効果や副作用を入念に確認しながら少しずつ増やしていく方法がとられます。
抗てんかん薬は胎児に影響する危険性があるため、妊娠の予定がある女性は前もって主治医に申告する必要があります。

使用される機会が多い抗てんかん薬はどれ?

使用される機会が多い抗てんかん薬と、主な副作用も見ていきましょう。
一番多く処方されている代表的な抗てんかん薬が「バルプロ酸ナトリウム」です。
副作用は腎臓に多く見られ、高アンモニア血症が主な症状として挙げられます。
副作用の対処としてカルニチンの投与が行われることもあります。
古くから用いられさまざまなタイプのてんかん治療に用いられる「フェニトイン」は、歯肉増殖の副作用があります。
長期服用患者の20%に見られる症状で、増殖が酷い場合は歯肉の切除が必要となるケースもあります。
口腔内を清潔に保つことによってある程度は予防が可能です。
手足など部分発作に有効な「カルバマゼピン」は、子供の約12%に白血球減少の副作用が見られます。
治療開始の数ヶ月以内に発症しやすいものの、臨床的に大きな問題となることは少ないです。
鎮静・催眠作用もある「フェノバルビタール」も、同じく小児に副作用が見られます。
部分発作・全般発作を問わず、さまざまなタイプのてんかんに有効な「ゾニサミド」は、体温上昇を伴うことが報告されています。
発汗作用が減少するため、夏季には注意が必要です。
小発作に使用される「エトスクシミド」では、主に小児の20%に吐き気・嘔吐などの消化器症状が見られます。
症状は軽い場合が多く、投与中止になることは滅多にありません。
てんかん発作治療の他にも、片頭痛発作発症抑制や自律神経発作などでも使用されている「ベンゾジアゼピン系」には呼吸抑制が見られることがあります。
睡眠時無呼吸症候群を悪化させることもあり、注意が必要な薬品です。
別の抗てんかん薬と併用することでてんかん発作の抑制効果が高まる、併用前提の「ガバペンチン」には体重増加が見られます。
長期間、高用量服用患者に使用されている例が多く、飲み合わせを考慮する必要があります。
部分発作・全般発作両方に有効で、別の抗てんかん薬との併用療法が可能な「レベチラセタム」には気分変動が見られることがあります。
併用療法に用いられることが多いため、飲み合わせの考慮が不可欠です。